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【イベントレポート】今、ブランド事業者が立ち返るべき本来の姿とは? ~Transcend DtoC Brand~

こんにちは、広報の花沢です。
今回は、2021年6月29日(火)に宣伝会議さん協力のもと開催したトークイベント「今、ブランド事業者が立ち返るべき本来の姿とは?~Transcend DtoC Brand~」のイベントレポートをお届けします!長瀬さんと河野さんの熱量あふれるセッションをぜひお楽しみください。

当日はライブ配信だったのですが、長瀬さんが別のお仕事で遅れての参加となり、最初は河野さんのみでの対応となりました。笑 リアルならではのハプニング!

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DtoCとは結局何者か

河野)まず、DtoCは直販であるとか、中間業者を省くというような簡単に一括りできるものではないと考えています。先日僕がDtoCについてのnoteを書いているのでこちらもぜひご覧ください。

その上でDtoCは、顧客と直接つながれる、コミュニケーションができるパイプラインだと思っています。必ずしも、モールで売ってるからDtoCではないということではなく、繋がりをちゃんと持っていられるかどうかということが大事な要素です。なので、そのパイプラインをどれだけ持てているかは考える必要があります。

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そしてここから長瀬さんがご到着…!

河野)ではさっそく長瀬さんに。長瀬さんからみるDtoCは何者だと思いますか?

長瀬)関係性、関係値づくりだと思います。お客さんとのダイレクトな関係が好きかどうか。関係性のひとつのあり方としてDtoCという言葉があると捉えています。DtoCが得意というのは人間関係においても関係づくりが上手いことなのではないかなと。

河野)DtoCが良いということでなくて、コミュニケーションの伝え方として直接伝えることがフィットするブランドであれば、それはすばらしい関係性になるということですね。

長瀬)お客さんと距離を置きたいならBtoBtoCとかにする選択肢もあると思います。要はどういう関係をお客さんとつくりたいのか。適切な関係値が何かを考えてビジネス設計するのが大事かなと思います。

スケールするだけではない自由なビジネスのあり方

河野)さまざまな規模のブランドではスケールすることがゴールの一つになりますよね。でもDtoCはその限りではないと思うんです、この辺りはどう思われますか?

長瀬)そうですね、僕は実際に何人のお客さんがその商品・サービスをほしがっているかを理解できているか、だと思うんですよね。昔はマスマーケティングが主流だったこともあって、いい商品だからみんな使おうよという訴求になっていた。でもそれより、こういう趣向の人が100人ほしがっているといった母数:パイを理解して提供することに需要があると思います。昔ほど中間業者や工場などのしがらみはなくなっているので、必要な人に必要な分だけ届けるモデルが実現できるようになっていると思います。

例えば、コスメでもシワが取れるとうたう商品があるけど、それは日本の女性が全員シワを取りたいものだと思っていることが背景にあると思うんです。でもシワは綺麗なもので、取る必要はないという人もいるかもしれない。そういう、お客さんの多様な価値観に合わせてつくっていくのが大切かなと。

河野)なるほど、多様性自体は今までもあったけど、多様性について語れる状況やそれに答えてくれるブランドがなかったのかもしれませんね。ビジネスとして成り立たないと思われていたから、ブランドも対応できていなかった。でもDtoCのように、ビジネスとして十分やっていけるという構図ができるのはいいですね。

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長瀬)視野が広がるのはいいことですよね、クリエイティビティも多様化すしますし。そんな中で、小規模の人たちに向けたDtoCには関係値づくりのあり方として意味があると思います。数人のためにつくったらその中ですごくバズるし、自分のためにつくってほしいというリクエストも出てくるかもしれない。そういう人たちが次々出てきて、やがてコミュニティ化していく。そのコミュニティ化の過程にはクリエイティビティが重要になってくるかなと。

河野)長瀬さんも去年本を出されていて、熱量がテーマでしたがとても共感する部分がありました。熱量ってエネルギーの塊で、熱狂的なファンは次のお客さんを連れてきてくれるパワーがあって、本当に大事な人たちだなと。

長瀬)コロナ禍では、そういう熱量のある人をリアルな現場で見つけることは難しいけど、SNS上でもそれはできると思うんです。同じ感覚、センスの人が集まれば集まるほど盛り上がってさらに人が増えて、大きなムーブメントになり得る。熱量があるからこそ可能性も増えると思うんです。だから大事にしていきたいですね。

河野)少ないけど熱狂的なファンに長く買ってもらえることも、ビジネスの一つの成功例だよね、と言えるようになったのはDtoCの良さですよね。

長瀬)ビジネスで言えば、社員だけでなく、その周りでも一緒に考えてくれる人が増えたら、ビジネスチャンスも広がると思いますし。

河野)今までも「アンバサダー」という考え方があったけど、それをさらに距離感を近づけて実現できるのがDtoCかもしれませんね。

長瀬)いっそ社員にしてしまうくらいでやっているブランドも、海外にはすでにありますよね、アイディア出し、スクラッチから一緒にやっていくケース。ブランドのことをわかってくれてて、商品が好きで集まってくれた人たちから生み出されるものはまた熱量の高いものだと思うので、企業の採用とかビジネスの仕方は特にものづくりにおいて変わってきてると思います。

これからのブランドはどうつくるべきか

河野)既存のビジネスモデルがあるなかで、DtoCを含むブランドはこれからどうつくるべきだと思いますか?

長瀬)いろんな角度やレイヤーで苦労することはあるけど、最初に苦労するのは、そこに勤めてるみんながユーザーとどう関わりたいかを真剣に考えたことがあるかどうかですね。社員自身がユーザーに興味があるか。ユーザーに対する向き合い方が重要だと思います。人がどれだけ好きかで関係性が変わってくると思うのでそれが一つのポイントだと思います。
特にDtoCは密接な関係になりますよね、どれだけオープンになるか、どれだけ密接になるか。長い関係値を何人とつくるかが重要で、そこに予算を乗せていくという考え方が良いと思います。
例えば、恋愛と一緒ですよね。仲良くなるまでにはデートを重ねるので、時間も工数もかかる。その後は同棲や結婚といった、一緒に時間を過ごす方法を考える。そこからプランニングして老後の資金まで考えたりすることもある。会社も同じで、それを何人とやるかになるということだと思うんです。それには覚悟も必要だし、サポーターが必要。ファンや事業者側に立って考えられる人をどれだけそばに置くかで変わってくるところだと思います。

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河野)まわりの人を巻き込むというのは重要だと思います。最近大手さんからDtoCをつくりたいという依頼があるんですが、お客さんの声を聞くことにとてもハードルを感じているんですね、色々な制限もあったりして。でもDto Cブランドは、家族とか友人に「試してみて」ということが自然にできてるんですよね。そうした人の巻き込み方を工夫することで、長く愛されるブランドのエッセンスになると感じました。

長瀬)僕がジョインしている会社のサービスも、ベータ版は仲間内から試してもらおうと思ってます。ネガポジどちらの意見も素直に返してくれると思うので、そういう声を拾ってフィードバックできる。そういうやり方も大手には新しいのだと感じます。だからこれまでの人間関係、関係値作りが重要ですね。そのとき、熱量を維持したまま範囲を伸ばすことは特に大切です。

河野)熱量を持った人が、自分たちでスピード感をもってこうしようという体勢が大事だと思います。方法の一つとして、別の組織で実験的にやってみて、大きい組織に転換するのがいいです。大きい組織でやろうとするとどうしても熱量の差が出てくるので難しい。なのでまずはコンパクトにやってみるのがおすすめです。

長瀬)重要なポイントですね。大手にいると物事を進める難しさはあります。そこでやってほしいのは、自分がやりたいことをやりたいと思ってくれる人たちを巻きこんでやるということ。僕もユニリーバにいたときに実践したことがあって、熱量を共有できる人をとにかく集める。それで集まった人がまた人を集めるという循環が生まれ、上層部にも意見が届くようになったんですね。なので賛同してくれる人をいかに社内で集めるか。理解してもらえる仲間を探すというのが否定的な意見を集めるよりも大事だと思います。

河野)熱量の総量で押し切る!ということですね。

長瀬)押し切る、そうそう。笑 でもけっこう大事ですよ。

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事前アンケートの質問回答・Q&A ※抜粋

最後に、事前アンケートでのご質問や、配信中にいただいた質問の中からいくつか抜粋してQ&Aの様子をお送りします!

Q:DtoCの立ち上げ方がわからない

長瀬)ブランドイメージが詳細に描けてないことが一番ネックなのではないかと思います。実際、一番自分がいイケるなと思うのは、ブランドのパッケージデザインからフォーマット、商品の成分とかコピーとかを思い描き切れるときなんですよね。最終系を描けていないから逆算しづらいんだと思います。最終的な画を描き切れるかどうかだと思います。

河野)描き切るというところで、何から考えればいいのかということになりやすいですが、これは今日冒頭で話したお客さんを理解する、ある意味お客さんを好きになることだと思うんですね。この人は何に困っていてどうしたら喜んでくれるのかまで組めると、ブランド全体がクリアになってくると思います。

長瀬)あともう一つは、なぜ自分がそれをつくりたいかを考えることですね。根っこにあるなぜ好きか、なぜつくりたいのかを考える。それがあればお客さんをイメージできるし、何に反応するのかも想像できると思います。

河野)改めてブランドにおいて、人が大事になった時代だと思います。なぜ自分がやりたいのか、どうすれば喜んでくれるのかというある種商売の原点回帰ですよね。

長瀬)会社のビジョンミッションと、個々人でもそれがあるくらい、しっかり持つことが要求される時代ですね。個に向けてビジネスをやる時代になってきたと思います。

Q:デジタル領域を推進する人材の不足はどう思いますか?

長瀬)いつも思うのは、「デジタル」というと領域が広く感じることです。なので、デジタルの領域をセグメントすればある程度見やすいと思います。
そこで人材を探すポイントは以下の3つあると考えてます。

・熱量を見つける人
・チャネル、売り方がつくれる人
・関係値が築ける人

こんな感じで、不足している要素よりもデジタル領域の中でも必要なタレントを考えていくと、何が必要なのかもよりみえてくるのではないかと思います。経験値があるからデジタルができる、というわけではないと思うんですね。上記の定義でいけば、売り方だったら営業の人を採用するというのもありだと思いますし。採用する側での定義が必要かと思います。


Q:適切なアウトソーシング先の選定に悩んでいる

長瀬)僕もよく悩みます。笑 でも結局は相性ですね。一緒につくる相手と同じものを目指せるか。ブランドの思いを理解してくれる相手なのかを見極める。

河野)あいみつをとるといった業者的な考え方ではなく、チームメイト的な存在を探さないといけない時代ですよね。

長瀬)そうですね。あと、どんな仕事もうまくいかないときはあるので、そういうときにオープンに話せるか、もし話せなくても向き合う気持ちになれるかということもポイントですね。多少値段が高くてもそういう部分を見た方がいいです。アウトソーシング先とも長い関係値がつくれる、コミュニティの一部だと考えられることが大切ですね。

河野)コロナ禍でデジタルの比重が急激に上がったときに、今のテクノロジーでは人間同士のコミュニケーションは置き換えられなかったということだと思うんですよ。だから、どこまでをデジタルで合理的にやるのかは自分たちで考えないといけない。そういう気づきはありましたね。

長瀬)まさに。コミュニケーションは結局デジタルで補えないんですね。人が中心になってビジネスしている以上、伝えないと始まらない。
オンラインは上手くないと誤解が生まれるので、その辺はコミュニケーション能力が高い人を集めるというのが、また大きなポイントになると思います。

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登壇者紹介 

対談者

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長瀬 次英 氏
PENCIL&PAPER.COM株式会社 代表取締役 /
Visionary Solutions株式会社 代表取締役

ユニリーバ・ジャパンなどを経て、2014年にインスタグラムの初代日本事業責任者(BDL)に就任。続いてロレアル日本法人で初代CDO(最高デジタル責任者)に就任。2019年には自ら会社を設立し、同時にアパレルブランド、次世代エネルギー開発等の幅広い事業にCxO等として参画し、パラレルワーキングを実践。

モデレーター

代表写真登壇仕様

河野 貴伸

株式会社フラクタ CEO



2000年からフリーのデザイナーとして活動。美容室やアパレルを専門にWebデザイン・ロゴ・パンフレットなどの制作を手がける。2003年にオープンソースを活用したWebサービスの受託開発を開始。「コマースをエンターテイメント」に昇華すべく、2013年11月にはデジタル・ネイティブ・ブランディングの実現をミッションとした株式会社フラクタを設立し、代表取締役に就任。




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