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ECにおけるヘッドレスという考え方

前回FRACTAがShopifyを使う理由をテーマに、来るべき2020年代において自社ECに大きな変革が求められていること、その変革に対応するために、D2Cや中小規模のECにおいてもっとも最適な「Shopify」であることをお話ししました。
https://note.fracta.co.jp/n/n57bbcd8c2b15

今回は、Shopifyがそれらを実現可能な技術的な背景について、少し長くなりますが、語ります。

「ヘッドレス」という考え方

「ヘッドレス」という考え方は、2016年前後にCMSの新しい潮流として注目され始めました。それまでのCMSは、有名な「Word Press」のように、コンテンツを作って管理するバックエンドと、コンテンツを表示するフロントエンド、2つの要素が一つのシステムの中にまとめられていました。フロントエンド側は、皆さんもよくご存じのHTMLやCSS、Javascriptで作られた「Webサイト」です。
一方で「ヘッドレス」なCMSは、コンテンツの管理部分しかありません。つまりバックエンドの仕組みしかないのです。

「え?じゃあフロント側はどうするの?」と疑問に思いますが、これは「API」によって、やり取りの「接続口」で提供しています。
つまり、情報の表示側の処理は全く別物として取り扱えるように、APIを介して情報のやり取りの「接続口」のみを提供しているものが「ヘッドレス」な状態なのです。

従来のモノリシック(一枚岩)な仕組み ↓

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「ヘッドレス」な仕組み ↓

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*「API」とは、「**Application Programming Interface**」の頭文字です。
* この図はあくまでも略図となりますので、実際はもう少し細かい差異があります...
国産Headless CMS 「Micro CMS」の記事。海外だけなく、国産でもヘッドレスCMSは生まれている。
https://qiita.com/oimo23/items/fc2b36b5bf543b0f23cc

ではこの「ヘッドレス」な状態では一体何がメリットになるのでしょうか?

「ヘッドレス」がなぜ生まれたかを知ることによって見える「強み」

20年程前のwebサイトは「デスクトップ」や「ノート」または「ラップトップ」と呼ばれる「PC」でしか見られることを想定していませんでした。
つまり環境が一つしかなかったため、それに対応するシステムも「モノリシック(一枚岩)」であれば十分だったのです。そのため、フロントエンドとバックエンドは一心同体であり、デザインはシステムに「組み込まれる」ことが当たり前でした。しかし時代が進むにつれて、2つの大きな潮流が生まれます。

1. webサイトが単なる情報伝達ツールを超え、購入や申し込みなどの現実世界の機能を持ち始めた。
2. スマートフォンをはじめとした「PC」以外のインターフェイスが一般化し、シェアを逆転した。

これらの事象により、様々なフロントエンドの技法が発展し、レスポンシブ・デザインなど等の工夫が行われてきました。
昨今ではスマートフォンで閲覧されることを前提としたサイト設計は当たり前になっています。しかしそれでも尚、2020年を節目とする「5G」と呼ばれる通信技術が普及した環境を前提に考えた場合、柔軟な対応ができない一枚岩のシステムでは時代についていけません。

次の時代の有効なコミュニケーションポイントはスマートフォンだけでなく、AR、VR、スマートグラス等、様々なデバイスが想定され、「もっとも受け入れられるコミュニケーションポイントがどこなのか」を予測するのは至難の技です。そのため、あらゆるポイントに素早く対応できるようにバックエンドと切り離し、柔軟に様々なデバイスにデータが配信できる仕組み必要となります。それが「ヘッドレス」なのです。

ほんの5年前のことを思い出してみてください。
腕時計を使用して商品を購入すること自体が想像できなかったことでしたが、それらが今はApple Watchで当たり前のように実現されています。AIが搭載されたスピーカーを使って会話形式でニュースや情報をやり取りし、天気を確認することもできるようになりました
これらの機能を活用することを大手企業だけではなく、中小企業にも求められている現代において、最早一枚岩なシステムのみで実現するにはリソースや人材が足りません。切り離せるところは切り離し、外部の技術やプラットフォームをうまく活用する・・・自分たちが集中すべきポイントに対して全力でリソースを投入する。

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「ヘッドレス」ではそれが可能となり、それを選択する最大のメリットとなります。また、「ヘッドレス」を加速させる様々な連携サービスも多く現れています。

https://ifttt.com イフト
https://zapier.com/app/dashboard ザピエル
https://www.integromat.com/en/ インテグロマット
*↑ヘッドレスともっとも親和性が高いサービス。よりAPPIとの接続を意識した連携サービス。開発者向けと言えます。多分インテグロマットと呼びます・・・。
* この図はあくまでも略図となりますので、実際はもう少し細かい差異があります...


Shopifyはヘッドレスなのか?

ではShopifyは、「ヘッドレス」の要件を十分に満たしているのでしょうか?答えはYes。ただし「ヘッドレス」のみを前提とされたシステムではないため、開発側のある程度の工夫は必要になります。しかしそれらの学習コストを鑑みても十分に効率的に「ヘッドレス」な状態を実現できるようでしょう。
前回の投稿で、共通機構の丸投げとブランドの体験のトライアンドエラーが可能な点が、Shopifyの強みと定義しましたが、これぞまさしく「ヘッドレス」だからこそ実現できる仕組みと言えます。

今後の「コマース」に求められるエクスペリエンス

今後のコマースの世界は、知ること、買えることに加えて、どんな「体験」をもたらしてくれるのかが大きなキーとなる時代がやってきます。
それらは素早く、かつ大きなインパクトをユーザーに提供し続けるためのチャレンジを継続的に行う必要があり、出来る限り低コストで行うことも求められます。そのため、APIに接続できる限り、想像できうるあらゆる種類のフロントエンドショッピング・エクスペリエンスを作り出すことが可能な仕組みと、リアルのコミュニケーションにたいしてデータ分析を活用した接客や1to1コミュニケーションを提供可能な「ヘッドレス」という仕組みはD2Cはもちろん、中小規模のコマースにおいて革新的なソリューションとなりえると感じています。

事業者・ブランド側は、いかにして自社の提供する商品、サービス、体験を顧客にダイレクトに届けるられるかが今後の鍵となります。
それらに「集中できる」環境の実現こそ、ビジネスの成功への鍵だと私たちFRACTAは考えています。



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